旅行先の気候推定における太陽暦と韓国太陰太陽暦の比較:1,500地点での5年間ホールドアウト検証
要旨
今回の検証では、SOLARはLUNAより全体の平均誤差が小さかった。1,500地点の1991~2020年の日別資料について、1991~2015年だけで推定し、2016~2020年を評価に留保した。同じ地点・日付の平月2,653,500対で比較した結果、気温と降水の評価誤差指標はすべてSOLARが小さかった。雲量資料のある274地点でも晴天代替指標の確率誤差はSOLARが小さかった。一部の地点ではLUNAの誤差が小さかったが、その優位性が別の期間にも続くかは追加検証が必要である。
キーワード:気候平均、太陽暦、韓国太陰太陽暦、留保検証、旅行の天気
1. はじめに
同じ過去の天気でも、集計に用いる暦によって気候平均は変わり得る。本研究はグレゴリオ暦の月日を用いるSOLARと韓国太陰太陽暦の月日を用いるLUNAを比較する。LUNAは月の位相だけを意味しない。対象は1日単位の気候平均であり、アプリ全体の推薦機能や短期数値予報ではない。
2. 資料
プロジェクトに日別資料のある1,500地点を対象とした。30年のうち最初の25年を学習、最後の5年を評価に使った。資料はERA5系列の再解析であり、独立した観測所の実測ではない [1]。気温と降水は現地日付での集計を用いた。雲量の評価対象は274地点に限られた。両方式で入力資料と評価日は共通とした。
3. 方法
SOLARは同じ太陽暦月日、LUNAは同じ韓国太陰太陽暦月日と閏月区分の学習標本を平均した [3]。有効標本5件以上を必須とし、学習日はすべて2016-01-01より前とした。窓幅は±0日で、補間や閏月の置換は行わなかった。気温・降水量は平均、降雨確率は日降水量1mm以上の頻度とした。晴天は日平均雲量20%以下という探索的代替指標であり、無降水とは区別した。
4. 評価指標
連続値にはMAEとRMSE、確率にはBrierスコアを用いた [2]。的中率は予測確率0.5以上を発生と判定した。式中のNは地点・日付の対の数、yは評価値、ŷは推定値、pは確率、oは事象の発生(0または1)である。地点・日付を合算し、国別の均等加重はしなかった。
MAE = (1/N) Σ |ŷᵢ − yᵢ|
RMSE = √[(1/N) Σ (ŷᵢ − yᵢ)²]
Brier = (1/N) Σ (pᵢ − oᵢ)²
5. 結果
平月ではSOLARの最低・最高気温MAEは1.9131℃、2.3390℃、LUNAは1.9959℃、2.4165℃だった。LUNAはそれぞれ4.33%、3.31%大きかった。降水量MAEは0.87%、降雨Brierスコアは1.21%大きかった。晴天代替指標は484,706対で評価し、LUNAのBrierスコアは0.80%大きかった。評価5年間の各年の全体平均でも、5つの誤差指標すべてでSOLARが小さかった。
| 指標 | SOLAR | LUNA |
|---|---|---|
| 最低気温MAE (℃) | 1.9131 | 1.9959 |
| 最高気温MAE (℃) | 2.3390 | 2.4165 |
| 降水量MAE (mm) | 3.1692 | 3.1966 |
| 降雨Brierスコア | 0.1672 | 0.1692 |
| 降雨的中率 (%) | 74.3329 | 73.9533 |
| 晴天代替指標Brierスコア | 0.1223 | 0.1233 |
| 晴天代替指標的中率 (%) | 83.2459 | 83.1306 |
6. 閏月と季節移動
閏月の月日を平月に置き換えなかった。有効学習標本5件の条件を満たす閏月事例がなく、対による比較は0件であり、閏月の性能は判断できない。季節移動は対象日の太陽暦月とDJF/MAM/JJA/SONに分け、暦上の日付距離も記録した。この区分は両半球で同じ月の組合せであり、現地の季節名ではない。
7. 地域別探索
LUNAが優位な地点は最低気温169、最高気温170、降水量481、降雨確率407だった。晴天代替指標では274地点中100地点だった。各年10地点以上の国・季節・指標の組合せでは、32組で5年ともLUNAの誤差が小さかった。多数の組合せを探索した結果であり、同じ評価期間で地域を選んだうえで独立した優位性を確定することはできない。
8. 限界
固定した5年間だけでは将来性能を確定できない。再解析格子や地形の代表性、地点選択、気候変化、欠測の影響があり得る。近隣地点と連続日には相関があるため、事例を独立試行とは扱わず、信頼区間や有意確率を示していない。±3/±7日窓、旅行期間スコア、推薦順位、閏月性能は対象外である。晴天の閾値は探索的で、本研究は事前登録されていない。
9. 結論
今回の1日気候平均の検証では、SOLARはLUNAより全体の平均誤差が小さかった。ただし一部の地点ではLUNAの誤差が小さく、その地域的優位性の持続は複数時点の時系列検証と独立観測所資料で確認する必要がある。結果は今回の評価範囲に限られ、月の因果効果や将来の特定日の天気を立証しない。
資料の利用と利益相反
集計結果と暦上の移動診断を付録CSVで提供する。元の気象資料と実行コードはこのページでは配布しない。発行元DILEMMALESSは比較対象アプリを紹介するサイトを運営しており、独立した第三者評価ではない。
参考文献
- Hersbach H, Bell B, Berrisford P, et al. (2020). The ERA5 global reanalysis. Quarterly Journal of the Royal Meteorological Society, 146, 1999–2049.
- ECMWF. Forecast User Guide, 12.B: Statistical Concepts — Probabilistic Data.
- Microsoft. KoreanLunisolarCalendar, System.Globalization.